Tokyo 10月11日(木)
         
 「答えがみあたらない」という状態

 そこには「答えを求めている」という状態が隠されています。
 学校教育のプログラムは、すべてにおいて、ほぼすべてに答えが用意されていて、教師は答えや答えに至る道筋を知っているのであり、生徒もしくは学生は、 答えに至る道筋を学ぶのであり、解答の仕方を学ぶのでした。
 学生の側からすると、教師が教えるプロセスを記憶し、踏襲して、どれだけ忠実に再現できるかが問われます。
 ホームスクーリングの日常生活について、みためが“学校”のような教室や机や椅子を用意しているかいないかに関係なく、学校でいえば「学習指導要領」に 集約されるプログラムに縛られるかどうかが鍵。ホームスクーリングのなかにみられる“スクーリング”と“アンスクーリング”の違いは、ここにあります。つ まり、すでに解答が準備されているプログラムをこなしていくことに“教育効果”をもとめるのか、それとも、答えを探すことそのものに意義を見いだして、親 子で探し出すか。結論のように言うのは差し控えなければなりませんが、両者はホームスクーリングのなかの多様性なのだとみることも可能です。それぞれの家 族に適した方法を決めていけばいいのであり、おそらく、アンスクーリングといえども、“資格試験”にチャレンジするような場合はスクーリングにシフトする でしょうし、スクーリングに限界が観じられる頃、アンスクーリングの魅力に到達するというのもありえるのだと考えます。
 「答えがみつからない」の後、「答えを見つけるためにどうしたらいいか」を探しだそうとします。ホームスクーリングの場合、親がわからなくても、図書館 やインターネット(スマホ)が解答を示してくれます。ビル・ゲイツの「未来を語る」を再読してみたのですが、ゲイツの優れているところは、ただの金持ちだ というのではなく、パソコンが生み出す未来の世界像を精緻に描写しているところであり、とくに教育にインターネットが参入するとき、学校制度や教師と教室 という教育システム全体へのドラスティックな(根本的な)変革を予想し、すでにほとんどが実現しているか実現の途上にあるというところでしょう。ゲイツを 礼賛するのがねらいではありません。インターネットによって開かれた教育革命は、ホームスクーリングにおいて結実しているのであり、“答えを探すツール” が手のひらにあるという時代となっている以上、教室も教師も、そして教科書すら必要がなくなるのでした。
 学習において、最も大切なのは、答えを知って、答えをどれくらい忠実に再現できるかではなく、答えに至るプロセスにあるというのはすべての教師が了解し ているに違いないでしょう。学校教育そのもののシステムは、「すべてに答えが用意されている」プログラムだからです。
 今回のセミナーでは、あまり強調できなかったのですが、学校教育の“質”は、潜在的な能力引き出すという意味の教育ではなく、体よくいえば“刷り込み”で あり、「洗脳」ということばが常に悪い意味で使われるのであったとしても、実質としては、“刷り込みは洗脳である”と認識されるべきでしょう。その意味 で、社員教育も、社員研修であっても、必ず必要な教育であり、“洗脳的”であったとしても、たとえばタクシー業界なら素早く「かもしれない運転」によって危険予知をするなど、安全運転を実現るためのノウハウについては、たとえ洗脳といわれようがなんといわれようが、安全運転のためにドライバーたちの脳裏にたたき込まれなければなりません。
 要は、それとホームスクーリングにおける“養育”との決定的な違いを理解するのがどうか。
 ホームスクーリングをはじめるとき、学校教育のスクーリングをそのまま家庭に移行しようとお考えなら、それは初歩としての意味はありますが、応用として 全般に適応することは必要ないのです。
 「子どもには、基本的な事柄を例外として、何も教えない」
 「答えは子どもが自ら探すのであって、親から教えられるものではない。」
  「できなかったことができるようになる。
 わからないことがわかるようになるのはとても楽しい」


 デイヴ・ブルーベック(David Warren Brubeck)。
 2012年に亡くなられました。言わずと知れたウェストコースト・ジャズの代表的な存在。
 ヒット作のテイク・ファイブでは、アルトサックスのポール・デスモンド(Paul Desmond)の音が印象的で、ブルーベックの演奏の印象は、クラシカルなサウンド+モダンジャスのクールなピアノもさることながら、デズモンドのアル トサックスの軽妙な音が心に残ります。
 デズモンドの演奏で触発され、アルトサックス演奏に興味をもった人はジャズメンもふくめて、かなり多いのではないでしょうか。
 Take Five / Three to get ready / The trolley song いずれも軽妙なスイングがわたしのコアベスト。
 けれどもマイベストは、Wonderful copenhagenです。「すてきなコペンハーゲン」・・・みたいな。もしかして “カビは生えたような古い作品”といわれそうですがいやはや大好きですね。たまに聴いてもいつも癒されます。
 コペンハーゲンに一度行ってみたくなります。