Tokyo 6月14日(木)
         
 おそらく、 2018年6月12日は歴史に刻まれる日とされるでしょう。
 ところが、日本のメディアからみると、米国トランプ大統領と北朝鮮さんが会談したことは、歴史的偉業とは見えていないようです。メディア全体がアベの意 向を具現化しているのだとしたら、単に自分を尊重してくれなかったのでおもしろくないというだけの稚拙な動機からだけなのかもしれません。米朝会談は、歴 史に刻まれるべき出来事であり、「米朝会談以降の歴史的和平への流れに、安倍外交は対応できない」のは当然のことですが、アベのおかげで日本国民全体が世 界の出来事についての正確な認識ができない状態に陥っています。
 朝鮮半島情勢は、北朝鮮の解放という、驚くべき出来事さえ予感させられるのですが、メディアには懐疑論しかみえません。自分にとって良いなら、何でも良 かれと見えてくるのに、少しでも自分に不利益とみれば、籠池さんへの対応がひとつの象徴であり、事実がどうであれ正義がどうであれはおかまいなく徹底的に 潰す。
 いまや日本のメディアがほぼ完全にアベ化している事態を深刻に受け止めたほうがいいと考えます。きわめて残念なことですが、真面目で誠実な報道関係者が 多数おられるにもかからず、アベと同じように、国際社会のなかでは日本のメディアは完全に信用を失っているとみたほうがいいのです。
 事実を事実として伝えられないのは、何も今回の会談についてばかりではなく、福島原発の放射能事故についても、メディアはせいぜい沈黙しているのであ り、「何を言うかではなく、何を言わないかが大切」というのは、この場合も真理です。
 放射能による過去な現実は継続しているのであり、政府によっても、そして政府を正しく批判すべき位置にあるべきメディアによっても、国民の健康にとって ものすごく大切なことなのに、何も、いえ、何一つ正確に伝えられていないのです。
 「万引き家族」が最高賞「パルムドール」を受賞。監督の是枝裕和監督さんが、政府からの賛辞を拒否したと伝えられ、このような日本にさえアベ化していな い人々が残されていたように感じ、わたしは安堵した一人です。
  堤枝さんの曰く、「映画がかつて『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、公権力とは潔く距離を保つというのが正しい 振る舞いなのではないか」。わたしはまだ「万引き家族」を視聴していませんが、監督のことばに、日本が未来に民族として存続できるかもしれない希望の一つ さえ見えてくるようでした。