■ベルリン宣言■(全文)  (2012.11.28 吉井試訳)

  2012 年 11 月 3 日にドイツ ・ ベルリンにおいておこなわれた第一回ホーム・エジュケーション国際会議において、わたしたちは、ここに提示された宣言に署名しました。

  すべての国において、これまでの数多くの国際条約や宣言に詠われているとおり、家庭において、親が子どもを教育し育成することは、かけがえのない基本的人権および権利であり、尊重しなければならないということが、一層あきらかにされなければなりません。

  両親がその子どもの教育活動を引き受ける実践としてのホーム・エジュケーションは、子どもと家庭にとって必要な要件を満たす学習であると断言します。

  世界人権宣言(1948年)第26条3項では「子どもにどんな教育を与えるか、それを選択する優先的権利をもつのは親である」とされ、親と家庭の権利は、国家のかかわりにたいして、優先的に扱われるべきことが示唆されています。

  経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の第123条3項において、「この規約の締結国おいては、親がその子どもために学校を選択する自由が尊重されるべきであり、国および、政府の教育局は、親が自らの宗教的道徳的信念に基づいて教育をおこなうことを妨げない最小限の教育基準を掲げるべきである」と明言しています。

  市民的及び政治的権利に関する国際規約第18条4項において、「政府および政党は、宗教的道徳的信念に基づいて子どもを教育することについて、親は、法に基づく子どもの保護者であり、その自由は尊重されなければならない。」とし、第4条2項において、これを不可侵の権利であると規定しています、

  国連の子どもの権利条約では、第5項において、「締約国は、児童がこの条約において認められる権利を行使するに当たり、父母若しくは、場合により各国の習わしにより定められている家族、もしくは共同体の構成員、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者が、児童の発達しつつある能力に適合する方法で、適当な指示及び教育を与える責任と権利及び義務があることを尊重する。」としています。

  ドーハ国際会議(2004年11月)にて、家族のために開催された会議では、ドーハ宣言が採択され、「両親には、どのような教育を子どもたちに与えるかについて、宗教的道徳的信念に基づいてその教育の種類を選択する優先的権利がある」とし、親が子どもを教える働きと役割をさらに強化すべきであり、親には、子どものためにどの教育を選ぶかについての選択権があると再認識されました。

  国連所属の、欧州の教育選択に関する特別調査委員会報告(2007年3月)では、ドイツについての公式調査に基づき、ホーム・エジュケーションが教育の正当な選択肢とされるべきとしています。

  人権保護についての欧州会議(1850年)では、「自分の宗教的、哲学的な信念に即して教育を確保するために、親のがどのような方法を選ぶとしても、それは親の権利として尊重されるべきであり、何人も禁止されてはならない。」とされています。

 EU共同体の基本権についての憲章 第143項において、「親が、その哲学的教育的信念に即して、子どもたちを教育する自由と権利は、国内法に基づいて保護されなければならない」とされています。

  EU会議議決(2012年10月23日)の議決書(P7_TA(2012)0386,n. 15)には、「EUの未来をひらくための、政策課題」のなかで、EU委員会は、世代間の連帯、とりわけ、EUの発展という目標を達成するために、家族を社会の主流と位置づけるとしています。すなわちそれは、ホーム・エジュケーションが、教育政策実現のための、総合的指針の重要な要素であるとみなされるべきであるという意味です。

  人権と基本的自由に関する独立国家共同体宣言においては、「教育と指導について、本宣言の締結国は、親が自ら確信しているところや、国ごとの伝統に適応した教育を施すことにおいて、それを親の権利として尊重しなければならない。」としています。

 信頼のおける調査組織によると、ホーム・エジュケーションは、教養と実行力が備わった市民社会の一員として、子どもたちをを育てるための効果的手段であり、子どもたちにとって有害な要素は全くみられないとしています。

 それゆえ、わたしたちは以下のように宣言します。

1  私たちは、ホーム・エジュケーションを禁止したり、それに重い罰金を科したり、親がその子どもを保護し育てる権利に脅威を与えたり、法的制裁を与えるなどホーム・エジュケーションへの迫害を許すようなすべての国策を非難します。

2 私たちは、すべての国際社会の構成員が、ホーム・エジュケーションを含めて、親が子どもにどのような教育を与えるか選択することは、親の自然権であり、基本的人権に属すると認識するように勧めます。そのために、国際社会におけるすべての人々が、法体系において、政策において、手続において、実効性のある法的整備をすすめるように要請します。

3 私たちは、成長するホーム・エジュケーションについて正しく調査し、認識し、配慮すること、そして、ホーム・エジュケーションを望むすべての親がこの業を開始できるように、現状に即して、各国が法律、政策、手続きの面で、国策の再検討をはじめるように要請します。

4 私たちは、 ホーム・エジュケーションを選択することが親の基本的権利であると認めるように、すべての人権団体、政府、NGO、選任された政府高官、および市民団体に要請します。

5 私たちは、ホーム・エジュケーションについての国際共同体として、たとえどのような動機からであるにせよ、どのような方法論を採るにせよ、また、どのような思想的哲学的前提をもつにせよ、ホーム・エジュケーションが絶対的権利であることを、国が認識するようになるために努力することを表明します。

6 私たちは、ホーム・エジュケーションが教育の方法としての正当な選択枝であるとみとめ、ホーム・エジュケーションを選択したすべての家族とその子どもたちのために、教育の自由および多様性と共存の環境が守られるための公式非公式な支援をおこなうことをここに声明します。

 ベルリンでおこなわれた第1回ホーム・エジュケーション国際会議において採択されました。2012年11月3日  ホーム・エジュケーション国際会議の全ボードメンバーによる署名

原文
http://www.ghec2012.org/Declaration.pdf